大学改革「IR室」から発信 政策提言・実施担う役割・ゆとり教育から脱却?新学習指導要領の謎、いじめ自殺問題、教育基本法改正、教員の不祥事など教育問題が注目され、教育改革が急がれる今の日本の教育ニュースを総チェック!将来の日本を背負う人間をそだてるために学校、保護者、地域、企業ができることは何か?





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〈最新教育ニュース〉大学改革「IR室」から発信 政策提言・実施担う役割


 「大学改革を加速するIRの可能性」-。こんなタイトルのセミナーが東京で開かれた。学内での意思決定を支援する組織として米国で発展した「IR」は、日本でも注目され、東洋大では学長直属のIR室を立ち上げた。セミナーは、データ分析から学長への提言案の作成まで実践スタイルで進められ、「これから避けて通れない経験ができた」(参加者)と好評だった。(編集委員 平山一城)

 幅広い教育事業を展開するワオ・コーポレーション(東京本社・杉並区)が東京で初の「大学ソリューション(課題解決)セミナー」として開催し、全国の大学から学生のデータ分析や教学の担当者、学長室や教育改革機構などに勤務する教職員ら約80人が参加した。山形大の福島真司教授の基調講演のあと、チームに分かれて課題のテーマに取り組んだ。

 ◆チームで課題解決

 課題は「神奈川県の定員4千人の私大が、受験生の減少や退学率の上昇という逆風の中で、苦戦している」。仮想大学の学生情報やデータをもとに、チーム内のメンバーが学生募集、教学、学生支援、改革担当副学長の4つの役割を分担し、学長が取るべき改革案を作成する。福島教授がその内容を講評して、課題解決の実務を体験した。IRは「Institutional Research」の略称である。教育改善、意思決定の過程の合理化など大学運営の全般をサポートするため、1960年代に米国で始まり、現在では多数の大学でIR組織が設置されている。博士や修士の学位を有する専門職も多く、データの収集や分析だけではなく、政策提言や実施を担う役割を果たしている。

 文部科学省は、教育研究の活動内容をインターネットで公表するなど大学情報を可視化する施策を進めてきた。「自らの状況を的確に認識し、改革のための基本情報にする」(里見朋香・同省前高等教育局大学振興課長)という狙いがあるが、「大学内に分散する各種情報を調整・統合し、改善・改革すべき事項をいち早く特定する専門チーム」(同)としてのIRの可能性が注目されている。

 今回のセミナーはIRの仕組みを体験することで、大学の「見える化」の時代に、教職員が受け身にならず積極的に発言する「言える化」の場を導入する試みとして多くの大学からの参加者が集まった。「長期的な視野に立ち、教育・学習行動に関する情報収集を的確に進め、分析結果を大学のガバナンスや資源配分にフィードバックすることで、大学の教育改善と教育改革につなげることが求められる」(同)という。

 ◆東洋大は組織改編

 東洋大は2013年9月、学長直轄の組織としてIR室を立ち上げた。教務部長、学生部長、自己点検・評価活動推進委員会の委員長、IR室スタッフらによるIR室運営委員会を組織し、教学執行部がIRの組織をサポートしている。これまで各学部や事務局が個別に保有したデータ、教務や学生生活、就職データなどをIR室で体系的に集約することで、学生の入学から卒業までの一貫した学修状況が把握できるという。

 竹村牧男学長は「教育研究の質を保証し、改革改善のためのPDCAサイクルを構築していくためには、高等教育の質の保証の観点から、大学の現状や各種の情報を収集・分析・検証し、それを元に大学の政策を形成していくことが必要」と話している。
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